カルメラHatchで語らなかった結成秘話 真相ver. 後編

前回の続き。
コバヤンがカチューシャを装着しながらライブを繰り返していたころ、僕が21歳の頃からローディ兼付き人をしていたバンドhot hip trampoline schoolに(当時の)最近加入したベーシストが、「ゴウシくん、クラブジャズのバンドやってるんですよね?僕も始めたんで、また一緒にしましょうよ」と言われ、時間もたたずしてそのバンド「テリトライ」と当時本町にあったNuThingsにて一緒になった。
今も覚えてるけど、初めて一緒になった日、会場入ってすぐ、そのベーシストに挨拶しようと探したらテリトライの他メンバーしかおらず、少年の様な金髪の子と、カラフルな水色やピンクだのカラフルな格好の二人がしゃべっていたので、「ベースの◯◯くんってまだですか?」と声をかけた。今思えばそれが、つーじーといがっちょさんである。
後に聞いたが、テリトライの中でカルメラというワードが出ることもあったので、つーじーはYouTubeなどでチェックしてくれたこともあったそうな。当時のつーじーの印象「トランペットがカチューシャのバンド」だったことを後に知る。笑
逆に僕がライブを見た印象は、「なんて主張の強いメンバーが揃ってるのだ」、金髪、カラフル、アディダス、鍵盤立てて弾く人など盛りだくさんのキャラ。笑
当時のメンバーの見た目やパフォーマンスの主張の弱さに日々悩んでいた時期だったので、「特にあの金髪のサックスと、カラフルなドラムのやつがいいなぁ。」と思っていた。当時のメンバーにも「あのテリトライのサックスみたいなギュインギュインのソロがほしい」などとスタジオワークでも、つーじーの話になることも多々あった。

そんなこんなで何度か一緒にライブをやることになったテリトライだが、挨拶程度しかすることもなく、顔はわかるけど、親しいわけではないという関係が続いた。
そんなある日、当時、僕とあっちゃんが同じバイト先でデスクが前後ろで、例のごとく仕事をサボって、Twitterをしていると、アっちゃんが「ゴウシくん!テリトライ解散するんやって!今ツイッターで見かけた!」と俺に伝えてきた。
「カルメラに誘いたいな。」という思いがふつふつ。
通常、民主主義のバンドなので、バンドで何か大きな動きをするときは、ずっとみんなで決めてきたんだけど、あっちゃんと、同じ会社の違う部署でパクちゃんもいたので二人に
「あのサックスの子、誘わへん?メンバーにも確認せなあかんと思うねんけど、プレイも人も魅力的やから、争奪戦になると思うねん。だから、みんなに確認とってる時間とかないと思うから、一旦もう早速俺から誘う連絡するで」
と宣言した。
「他のメンバーどうするんですか?」
「時間軸はおれが無理やり、すり替えるから、なんとかする」
超ロングなラブレターをパソコンで書き、連絡先も知らないので、つーじーがやってた個人ホームページの「お問い合わせフォーム」から連絡した。
数時間後、知らない番号から電話がなった。「テリトライの辻本です。メール読んだんですが…」。
話するのもほぼ初めましてだったけど、解散になったいきさつなどを聞き、大変だったね。と労をねぎらう言葉をかけつつ、「ひとまず一回スタジオに遊びに行ってみたいです」と行ってくれた。
バイトが終わり、家に帰ってから、メンバーみんなに
「テリトライ解散したらしいねんけど、サックスの金髪の辻本くん、カルメラに誘おうと思うねんけどいいよね??」
と連絡。
「いいと思います。」との総意だった。
本当はもうスタジオに来てくれる日程まで決まっていたが、連絡のやりとりをしてるというテイの数時間を待ったのち、
「興味あるからスタジオ一回遊びに来るってさ!」とメンバーに連絡した。
陰謀、無事成功。
つーじーは上昇志向がハンパないが、当時のテリトライは大阪と京都だけが活動範囲だったので、決め手となったのは、きっと岡山などの遠征ライブが決まってたり、若手クラブジャズのホープJABBERLOOPとの2マンライブが決まってたりという事が、つーじーへの釣り針となったに違いないと今は思う。笑

つーじーが加入して、少しした頃、これまた結婚やいろんな複雑な事情で、ミーティングの末、当時のテナーサックス、ベース、ドラムが辞めることになった。
何年も一緒に活動してきて、人間としてとても大好きなメンバーばかりだったので、これは苦渋の決断だったけど、僕のビジョンを実現するには受け入れるしかなかった。メンバーの脱退はとても辛いものなのだ。
これが2010年10月27日。

しかし、困ったことがある。
少し前に知り合って意気投合したbohemianvoodooとの横浜での2マンライブを10日後の2010年11月6日に控えている。
よし、カルメラで一番一緒にやった回数も多く安定感も見てきたLoco-Passionが先日解散したではないか!
Loco-PassionのベースとドラムのヒデヤくんとUSKに助けてもらおう。
なによりそもそもこの二人が、前編でも話したFxFの創設者ではないか!
「10日後のライブ手伝ってくれる??」
こころよくOKしてくれた二人。
「曲数12曲くらいあるねんけど、ごめんやで。苦笑」
「え??10日で12曲覚えるんですか???汗」
FxFから独立して数年。今度は独立した側に、もともとの創設者二人が戻ってきた。笑

2011年。つーじー、HIDEYAがサポートという状態に加え、ドラムUSKは、最初から別の目標があるので、バンドの正式メンバーには慣れない宣言受けてたのもあり、ドラムがサポート状態でいろいろ日々変わりながら活動していたある日。
こっそりホームページのつーじーとHIDEYAくんの名前の後ろに書いた「(サポート)」という字をこっそり消した。
バレへんかなと思ったんやけど、二人には早い段階でバレてたようでした。笑
なので、この二人には、「今日から正式メンバーなってくれ」とお願いした記憶はなく、今に至っている。
もしかしたら本人たちがサポートメンバーだと思ってたらどうしよう。と今も恐れている。笑
いよいよ7人となったカルメラは、2ndアルバム「Knack is the ketchup」をレコーディングした。
このアルバムは唯一、旧メンバーとサポートメンバーなど入り乱れた録音になっている。

そんなこんなで活動していたある日、渋谷JZbratにて開催されているSOIL&”PIMP”SESSIONSのオープンマイクセッション
「東京宣言」にフロント4人で毎月大阪から夜走りで顔を出していたある会の帰り、社長に「ソイルとクオシモードとカルメラでリキッドルームでイベントやらない??」と声をかけられた。
「え???」僕も含め、特につーじーはSOIL&”PIMP”SESSIONSになりたくてサックス始めたと公言してるくらいの大ファンだし、クオシモードだって、僕はたくさんCDもってるほどファンだったので、悪い冗談で冷やかされてるんだと思ったのだが、そうでもなさそうで、帰りの車中でみんなで歓喜した。

それが決まった頃。
つーじーが参加当初から元々、「ドラムにテリトライの時のドラマー誘いたいんです」と言ってたのだた、そのドラマーがいろいろスケジュール的にも落ち着いたらしいと。さらに演奏の仕事で久々に会ったんやけど、さらによくなってて、絶対誘いたいという気持ちが高まった。と言われて、ひとまずサポートドラマーのローテーションも苦しくなってきてたので、一度スタジオに来てもらった。相変わらず蛍光色の服を着た、毛深いけどさわやかな兄ちゃんがスタジオにやってきた。
「犬、逃げた」「Natalie」「フラミンゴ」くらいを合わせたような気がする。
とにかくいがっちょさんのドラムは爆音だった。僕にとって、爆音は正義なのである。
さらにいがっちょさんのプレイは、「ここであげたい。ここで落としたい」という言葉が聞こえるストーリーの見えるドラムだった。
長年を共に過ごし、僕の憧れていたhot hip trampoline schoolの安倍さんのドラムには、ずっとそれが聞こえ見えていた。これはとても抽象的で説明しにくいんだけど、安倍さん以外で、それがここまではっきり聞こえるドラマーに出会ったことがなかったし、僕にとって、それはとても大事なことなので、直感でこのドラマーとやりたい。と思った。

すぐに、いがっちょさんに加入してほしいとラブコールのメールを送った。
テリトライは、SOILを彷彿させるようなサウンドのバンドだったので、例にもれず、いがっちょさんもSOILの大ファンだった。
メールの最後には「今度東京でSOIL&”PIMP”SESSIONSのイベントに出るのも決まってるので、加入してもらえるなら、そこでも叩いてほしい。」
これが釣り針の決定打になったに違いない。とは思ってる。笑

JABBERLOOPとSOIL&”PIMP”SESSIONSとのライブが決まってなかったら、つーじーといがっちょさんの考えも少し変わってたかもしれない。笑
今も仲良くしてくださってる2バンドには頭があがらない。
そんなこんなで今の8人がそろったのが、2011年の4月頃だったと思う。

以降、4年。なんとか、なんばHatchのワンマンライブを大成功に終えることができた。

ガミハナーズをやめたとき「自分たちよりカッコよいバンドなんていないと思ってたのに」と書いたけど、「自分たちよりカッコいい部分を発見するようになってしまった」どころか、「なんとか自分たちの方がカッコいい部分を探す」のに必死なくらい、今は周りを見渡せば、めちゃくちゃカッコいいバンドばかりで、あの頃の自分がただの勘違い野郎だったのか、実際カッコいいバンドが多い素敵な時代なのかは分からないけど、逆にとても刺激的な日々を送っております。

今回のイベンターでもあるキョードー大阪の吉田さんに、「カルメラはHatchで終わるバンドじゃないんだから、こんなとこで喜んでる場合じゃないよ。こういう夢には終わりが来ないからね。頑張れよ!」と叱咤激励いただきましたが、LINE@にも書いたけど、大阪でいうとZEPP→オリックス劇場→大阪城ホール→京セラドームを目指したい。
自分たちでもビックリの1000人を超えるお客様に来ていただくことができましたが、そのみなさんが友人にカルメラを勧めてくださるだけで、ここからの倍々ゲームで1万人なんてすぐ。
これもラインに書いたけど、カルメラ、いいよ!と友達に勧めてライブに連れてきてくれたら、間違いなく満足してもらえるライブするから、自信をもってどしどし広めてほしい!絶対、俺たちは裏切らないよ!

カルメラとみんなの夢はまだまだ終わらない!近い将来、大阪城ホールでみんなでギンギンの景色を見ようぜ!
引き続き、応援&布教活動、みんなよろしく!!本当にありがとう!!

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